学長と話そうコンサート　和樹の部屋 第２回「おかえり タロ」

【重　要】（R4.1.4更新）
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学長と話そうコンサート　
和樹の部屋　第２回　

「おかえり タロ」

?▊ご挨拶

　太郎くんが私の前に現れたのは彼が京都の堀川音楽高校2年生の時だった。藝大を目指していた彼が、
共通の恩師、東儀祐二先生のご紹介で、東京まで月に１度くらいのペースでレッスンに通って来る事に
なった。レッスンでの第一印象は、すらりと背が高く、高校生とは思えないスーツ姿に髪型も七三分け
の営業マンのような感じで、緊張のせいか武者震いしていた。素晴らしい音色と、魅力的な歌いまわし
は、すでに大器の片鱗を感じさせたが、音階やエチュード（練習曲）となると正直、ちょっと心配だっ
た。それでも無事、現役合格を果たし、私のクラスに在籍したが、1年生の夏休み明け、9月の藝祭
（大学祭）終了後、どういうわけかパッタリとレッスンに現れなくなった。
　卒業生に行方不明者が多いのはベストセラー「最後の秘境 東京藝大」（二宮敦人著：新潮社刊）
にも書かれたが、彼はすでに1年生の中頃から消息を絶った。その後、クライズラー＆カンパニーとし
てポップスの世界での噂が時折聞こえて来ていたが、ある日、世界の歌姫セリーヌ?ディオンとのワー
ルドツアーでロンドンに来ていると、留学中の生徒が知らせて来て驚いた。その後のヴァイオリニスト、
作曲家としての人気と活躍ぶりはご存じの通り。2009年には、恩師、東儀祐二先生のメモリアルコン
サートで、私の指揮で、メンデルスゾーンの協奏曲を弾いてもらうことになり、それをきっかけに、
またレッスンする事になった。20年越しの「補講」である。それ以来、何度か共演したり彼のライブ
コンサートを聴きに行ったりしている。藝大創立130周年にはアンバサダーとして、また昨年からのコ
ロナ禍での「バーチャル藝祭」でのオープニングイベント出演や藝大アートフェスでもゲスト審査員を
務めるなど、大変協力頂いている。そして「和樹の部屋」第2回では、ファンドレイジングコンサート
として収益を藝大アートフェス2022への寄附とすることにも同意してくださった。
　久々の師弟共演と、箭内道彦さんを交えてのトークバトルもお楽しみください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　澤　和樹

学生時代は四芸祭のことだけ夢中でろくに授業も受けず卒業もしていないのに僕に藝大のアンバサダー
を任命、そして今回のような素敵な場を与えてくださった愛すべき澤先生に心から感謝です。
　ありったけの音楽愛、藝大愛を伝えたいです。
　お願いです。単位ください。笑
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　葉加瀬太郎

█　曲目

「エトピリカ」「情熱大陸」「バッハ：２つのヴァイオリンのための協奏曲 第1楽章」 ほか　
with 和樹の部屋アンサンブル

　◇　アンコール曲　「ひまわり」　作曲：Taro Hakase

?█　出演

客人：葉加瀬太郎　　　主人：澤　和樹　
プロデュース?MC：箭内道彦

※スケジュール?曲目?出演者等は都合により変更となる場合がありますので、ご了承ください。